錆びてた鍵を無理やり回したら折れちゃった!

rust_key沈んだ海賊船に積まれていた財宝の宝箱。そのカギだっていうのなら納得がいくような錆びついたカギを、古くからの友人が大事にしていたのですが、実はそのカギ自体、友人がそのまた友人に託されたという、いわくつきのシロモノでした。
実はそのカギはある事務所の金庫のカギだったのですが、その金庫が置かれていた事務所については、いま現在廃屋になってしまっているのだそうです。その事務所に勤めていたというのがその友人の友人で、「持っているとマズイから」という、かなり怪しい理由でわたしの友人があずかったのが、もうかれこれ10年以上も前の話だということでした。

実はわたしの友人は不動産会社に勤めており、その金庫がある事務所跡の権利関係のことも調べていたらしいのですが、どうやら現時点で正当な権利者が不明であるらしいとうことが分かり、わたしに声を掛けてきたのでした。
まあ、要するに、不法侵入にはあたらなそうだから、二人でその事務所跡に乗り込んで、金庫とやらを開けてみようというわけなのです。
かなり怪しい話ではありましたが、面白そうなので乗ることにしました。黒い衣装に身を包んで、深夜にこっそり乗り込むものと思っていたのですが、友人は普段着のまま、日曜日の真昼間に行くことにしていました。暗いと足元が見えなくて危ないからだそうです。
ホコリだらけの廃屋と化した事務所跡のなかに入り込み、壊れかけの階段を慎重に上っていくと、かつて応接室だったと思われる場所のその奥に、人間が入れそうな金庫がありました。
壁にはさまざまな書類が貼られていましたが、そのなかに茶色く変色したメモがあり、金庫のダイヤル番号と思われるものが書かれていました。その番号にダイヤルを合わせ、いよいよカギを差し込んで回したその瞬間、錆びたカギは根元からポッキリと折れてしまったのです。
別に中身に期待していたわけではありませんが、なんとも不完全燃焼の宝探しでした。